こんにちは、ムチコです。
「大学事務に興味があるけどどんな仕事が想像がつかない」
「休みや給料は多いの?」
「普通の企業との違いが知りたい」
こんな疑問はありませんか?
4年前まで約2年ほど、東京都内の私立大学の事務職員として勤務していたことがあります。
私の周りには学校勤めの人がいなかったので、入職前は「学校で働くってどんな感じなんだろう?」状態でした。
・大学事務ってどんな仕事?
・応募できるのはどんな人?
・一般企業との違い
このような内容とともに、私が大学事務を辞めた理由と、大学事務に向いている人・向いていない人についてもまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
大学事務職員ってどんなを仕事しているの?

私が勤めていたのは東京都内の私立大学で、グループ内には高校や専門学校、系列の大学がいくつかあるような学校の、グループの本部総務の仕事をしていました。
具体的な仕事内容は、
・グループ全体行事の運営
・施設管理
・公用車管理
・防災備蓄品管理
・規程改廃業務
・事務用品の管理
1年の半分くらいは、入試と卒業・入学式の準備期間で、常にこのイベントに向けた準備を少しずつ進めていきながら他の業務をこなすといった感じでした。
あとはグループ全体を統括する本部勤めだったのもあり、グループ内の様々な部署との調整ごとが多かったです。
他には、
警察からの防犯カメラ映像提供依頼対応
代表電話にかかってくるクレーム対応
会議や講演会で使用する立て看板やマイクの手配
講堂や会議室のプロジェクターが映らないから今すぐ来て
敷地内で鳥が死んでる
不審者がいるからどうにかして
学内でイベントやるから手伝ってくれ
こんな感じの名も無き仕事も多く、どこの部署の担当でも無い仕事は基本総務に振られます。
どの企業、団体でも総務というのはそういう部署なんだと思いますが。
それが故にちょっとした雑務なんだけど業務が多岐に渡りすぎて、業務管理が大変だったなと今でも思います。
大学事務職員になるための応募資格

新規学卒者向けの就職情報サイト(マイナビとかリクナビ)や、それぞれの大学HPに掲載されている採用情報をざっと見てみました。
多くの大学で応募資格欄に掲載されているのが、四大卒以上の新卒か、卒業後3年以内であること。
中には短大専門卒以上という大学もありましたが、ほぼ大卒以上であることが条件になっています。
既卒対象の就職情報サイトの方で確認してみると、年齢は30歳か35歳までで大卒以上であることが応募条件になっていました。
短大専門卒以上を応募条件にしている大学は、既卒の方でも少数派です。
私が大学事務へ転職したのが32歳の時。
30歳までの年齢制限がある大学も多く、応募すらできず悔しい思いをしたのを覚えています。
一般企業との違い

私は新卒で入社した会社で10年ほど働き、その後転職をして大学事務になりました。
一般の企業の事務と大学事務という2つの職を経験してみて、私が感じた違いをまとめてみました。
ノルマがない
一般企業で基本的に叩き込まれる、「利益を追求する」みたいなことは大学職員には求められません。
部署によっては、高校へ出向いて入学者獲得のために営業活動をおこなったりもしているので、数値目標があるにはあると思います。
ですがそこまで数字を追いかけてる感も無いので、ノルマへのプレッシャーは一般企業と比べるとかなり低いと思われます。
土曜出勤がある
学校勤めあるあるだと思いますが、月の半分くらいの土曜日は午前だけですが出勤しなければなりませんでした。
私の勤め先では隔週で土曜出勤がありました。
奇数週か偶数週かで半々に振り分けられており、私は奇数週の土曜日が出勤になるグループでした。
第5土曜日がある月は最悪で、2週連続で土曜出勤になることも年に数回あります。
だから年間休日が100日前後とかなり少なかったです。
創立記念日があり、その日は毎年休みになりますが、たった1日では挽回できないくらい土曜出勤の方が多いです。
大学によってもここは差が出る部分で、完全週休二日制に加えて、夏季・冬季休暇が長めに取れたりする大学もあるようです。
残業は少ない
基本的に繁忙期以外はほとんど残業しませんでした。
雑務が溜まって処理しきれない時に多少残業してましたが、基本定時で上がっていました。
他の部署も定時になるとゾロゾロと半数近くは帰っているような感じでしたね。
新卒で入社した会社は、残業してるヤツが偉いみたいな風潮があったので、定時で席を立つ人は少数派でした。
業務の基本は前例踏襲
業務の進め方は前例踏襲型で、大きく何かが変わることを良しとしないというか、保守的な印象を受けました。
それもあってか、デジタル化はあまり進んでおらず、稟議も各種申請書も全て紙でやりとりしていました。
そのおかげで書類を綴じるファイルも分厚く数も多くなり、たくさんのキャビネットに囲まれた中で仕事をするハメに。
転職してきてすぐの印象が「とにかく紙が多い」でした。
デジタル化が進まずアナログのまま
前述したとおり、デジタル化があまり進んでおらず、紙のやりとりがとにかく多い。
しかもメールで担当部署に送るとかではなく、本部内のやりとりは基本書類を持参しなければならないという…非常に面倒臭かったです。
安定した収入が得られる
私が大学事務になろうと決めたのも、事務系なのに給料が高くて安定しているところに惹かれたからでした。
大学の運営状況にもよりますが、私がいた大学では毎年一定のボーナスが支給されます。
毎月の給料の4ヶ月分くらいは年間で支給されていました。
良くも悪くもボーナスの金額にあまり変動が無いので、どれだけお金を貯めるかなどの計画は立てやすかったように思います。
各種手当もあるので、新卒の子でも2年目には400万円以上は貰えているようでした。
私が大学事務を辞めた理由

大学事務を辞めた理由はいくつかあります。
・直属の上司がどうにも合わなかった
・事務仕事がそもそも向いていなかった
・休みが少ない
一番の理由は、上司と合わなかったからです。
他部署へ異動させてもらうという方法もあったのですが、その人が影響力の大きい人だったので、他の部署へ行っても状況が大きくは変わらなそうでした。
あとは、事務という仕事がそもそも自分に合っていないことに気づきました。
新卒で入った会社にいた頃もそうだったんですが、事務の仕事って一つの仕事を終えても手応えがなくて終わりが無い。
基本マルチタスクの同時進行で、常にやり漏れが無いかの不安がつきまとう。
それをストレスに感じてしまうので、事務は向いていないと結論づけました。
あとは、自分が思っていたよりも、休みが少ないことがキツかったからです。
土曜が出勤になることは分かっていて入職しましたが、実際に働いてみたらキツい。
仕事が楽しいと感じられていたら、少なくとも苦ではなければ気にならなかったのかもしれません。
苦手な上司、嫌な仕事、その上で休みが少ないとなると辞めたくなって当然ですね。
大学事務に向いている人・向いていない人

一般企業とは違う部分も多い大学事務ですが、どんな人が向いていて、向いていないのか。
それぞれまとめてみました。
向いている人
こんな人が向いています。
・前例に基づいて同じように業務に取り組める人
・期日までに業務を遂行できるスケジュール管理ができる人
・協調性があり色々な人とコミュニケーションが取れる人
・いろいろな事務職を経験したい人
・ITスキルが高い人
・安定した給料を求める人
1年を通して仕事内容が固定化しているので、慣れたら変化の少ない仕事です。
秋から春にかけては入試関係、年末から春までは卒業式入学式準備、といった感じで、1年のサイクルが大体決まっています。
決まった仕事を繰り返すことを苦に感じない人は向いていると言えます。
そしてジョブローテーションを取り入れている大学が多いようなので、ある程度年数が経つと異動になります。
そのため人事、会計、広報、総務など様々な事務の仕事を網羅的に経験できるという点では良いポイントかもしれません。
あとは、デジタル化が進んでいないからこそ、ITに強い人は重宝されそうです。
給与に関しては、事務職にしてはかなり多くもらえる傾向にあります。
これは大学によってかなり差があると思うので、とにかく給料が高いところがいいという人は、給料が多い大学を狙い打ちして応募した方がいいです。
向いていない人
反対に向いていないのはこんな人です。
・どんどん新しいことにチャレンジしたい人
・古いやり方を変えて効率的に業務を進めたい人
・頑張りに応じた給料が欲しい人
大学事務の業務の進め方は、前例踏襲が基本です。
去年やったやり方で同じように進めていくので、新しい方法はあまり好まれないことが多いかもしれません。
そして前述しましたがとにかくデジタル化が進んでいない。
私が在職中にようやくイントラネットが導入されましたが、使用できる機能はかなり制限されていました。
チャット機能も使えず、社内書類の閲覧もできないし、会議室予約も使えない。
ワークフローシステムだけしか使えず、せっかくデジタルを導入してもとにかく進みが遅いんです。
そして紙が多いし、いまだにFAXが機能しています。
これを面白がれるか、やってられないと思うかで、だいぶ心持ちが変わってきます。
まとめ
今回は大学事務で約2年仕事をした経験を元に、大学事務の仕事についてまとめてみました。
・大学運営を陰から支える縁の下の力持ち
・ノルマから解放されたい人におすすめ
・人事や総務や会計など、色々な事務の仕事を経験できる
・残業が少なく安定した給料が得られる
大学事務になりたいなら、年齢制限を設けている大学が多いので、早めに転職活動をするのがおすすめです。
結果的に私は2年足らずで辞めてはしまいましたが、普通の企業とは違う大変さ、面白さがありました。
人生経験の一つとして、「学校で働く」ということが経験できて良かったと思います。